ロースクールでの授業が始まりました(2023年10月)
弁護士 苗村博子
今春から、大阪大学高等司法研究科の特任教授をさせていただいています。大学のキャンパスまで少し距離があることから、大学のご配慮で秋 ・冬学期の木曜日の第3限、第4限に集中して 2コマずつの講義を半年間続けていくことになります。毎週2コマ全部で 30コマはかなり大変なことになるだろうと、春からレジュメを準備して対応しているのですが、まだ全部が完成する前に秋の授業が始まってしまいました。
私が担当するのは、企業法務の基礎知識という表題で、民法の契約不適合責任から始まって、経済法、国際契約、国際ビジネスで気を付けるべき法律(FCPAやGDPR等)、知的財産法、M&A、個人情報保護法、公益通報者保護法、証券諸法、不祥事対応など、まさに弁護士となったときに企業クライアントの仕事をしたり、社内弁護士として各部から相談を受けたりしたときに役立つ法律を盛り込んだつもりです。実は、10年以上も前に、苗村塾という企業向けのセミナーを10回シリーズで行ったことがあり、コロナ下、在宅勤務で対応事件が減った際に、若先生方の協力の下、これをブラッシュアップして「製造業を支える法務パーソンの基礎知識」という本を作りました[i] 。この原稿をベースに、これまで重ねてきた企業向けセミナーのレジュメも使って、授業の資料をPPTで作っています。
私は究極のジェネラリストですので、いずれも深い話はできません。そこで、「苗村弁護士の(大)冒険」と称して、私の実体験をできれば毎回そのテーマに沿って、秘密保持義務に反しない範囲で授業の一部に組み込んで話しています。なんとなく学生さんたちの目が一番輝いて見えるのは、この事件簿について私が語っているときのように思います。企業法務の、クライアントの皆さんからビジネスを教えてもらいながら、二人三脚で事件を進めていく面白さを知ってもらえればと思っています。
[i] 手前味噌ですが、電子書籍版はAmazonなどでお買い求めいただけます。