司法修習生の同期会(坂本堤さんを偲ぶ)(2023年1月)
弁護士 苗村博子
弁護士生活 30 数年を迎える私たちが、司法試験に合格した時の総数はわずか約 450 人でした。裁判官も検察官も弁護士も同じ研修所で修習したという連帯は強く、私たちの期だけではなく、今はわかりませんが、相応の期は各期 10 周年、20 周年、30 周年と10 年毎に記念行事が行われてきています。これを超えると参加できるのがだんだん難しくなることを考え、5 年毎に記念行事を行う期が増えてまいります。私は 39 期と呼ばれる期なので、本来なら昨年35 周年記念行事が行われるはずでした。一昨年の秋は新型コロナウイルスの影響が強く感じられ、開催できませんでしたが、それでもそのまま終わるのではなく、長い準備期間をもらった形で昨年の 10 月に福岡で開催をすることができました。3 分の 1 にも当たる約 150 人が集まり、盛大に全体会をし、そのあとは各クラスに分かれて懇親会を行いました。
私自身は、総合司会をする同じクラスの友人を手伝う役を担当することになりました。私たちは、オウム真理教の幹部によって、ご家族含めて、殺害されてしまった坂本堤さんと同期です。私は隣のクラスで、直接お話したことはありませんでしたが、修習時代の彼の姿を覚えています。本当に優しそうなお人柄がしぐさにも表れていました。総合司会担当の友人と同期会全体会の進行を考える中で、坂本さんご一家を偲ぶコーナーを設けようと考えました。これを世話人会に諮ったのが、本年の春のことです。コーナーを引き受けてくれた坂本さんと同じクラスの弁護士さんが、素敵なスライドやご家族の写真のコラージュを作ってくれ、奥様のお名前を冠した「SATOKO」という曲の弦楽四重奏でのアレンジ曲をバックに、関係者の皆さんが毎年富山、新潟と別々の場所にある 3 人の慰霊碑を訪ねていることなどとともに、坂本さんがオウムの問題に熱心に取り組むだけでなく、労働問題等で活躍されている姿のスライドでコーナーを締めてくれました。参加者の心にあらためて坂本さんご一家の姿を刻めたこと、とても意義深い時間となりました。
その後も、何人かへのインタビュアーを引き受けてくれた弁護士さんが、それだけでなく素敵なバルーンを作ってくれ、私も記念品として、私たちが全員集まって研修を受けた研修所の敷地の旧岩崎邸の写真を使ったミニタオルを提案して、皆さんにお配りしました。
代表世話人を務めてくれた弁護士さんから、皆 60 歳を超え、今までの法律実務家としての日々の業務だけでなく、社会に貢献していこうとの最後の挨拶も私を含め、みんなの心にしっかり届いたように思います。私は雑務担当だったのですが、マイクを握るときもあり、少しおしゃれをして(!?)会に臨みました。今回の写真はバルーンと一緒にその時撮ってもらったものです。