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動画「下請法の改正に向けての動き」をYoutubeに公開しました

動画「下請法の改正に向けての動き」をYoutubeに公開しました

https://youtu.be/3MNZhAJ6nSs

 

下請法の概要

下請法(正式名称:「下請代金支払遅延等防止法」)は、親事業者による下請事業者への優越的地位の濫用を迅速に規制するための法律です。独占禁止法の特別法として位置づけられ、公正取引委員会および中小企業庁によって運用されています。

親事業者と下請事業者の区分

親事業者下請事業者は、取引を委託する事業者と受注する事業者の資本金によって定義されます。具体的には以下の通りです:

下請法の対象行為

下請法の適用対象となる取引は以下の4つに大別されます:

  1. 製造委託
    • 物品の販売や製造を営む事業者が、規格、品質、形状等を指定し、他の事業者に物品の製造や加工を依頼すること。
    • 例:メーカーによる部品製造の委託
  2. 修理委託
    • 物品の修理を請け負っている事業者が、その修理を他の事業者に委託すること。
    • 例:自動車の修理工場が請け負った修理作業を他の事業者に委託する場合
  3. 情報成果物作成委託
    • ソフトウェア、映像コンテンツ、各種デザイン等の情報成果物の提供や作成を他の事業者に委託すること。
    • 例:自社製品カタログや販促用ポスター等の作成の委託
  4. 役務提供委託
    • 各種サービスの提供を営む事業者が、請け負った役務を他の会社に委託すること。ただし、建築業を営む事業者が請け負う建築工事は含まれない。
    • 例:貨物運送やメンテナンスを有償で行う事業者が、当該役務を他の事業者に委託する場合

親事業者の禁止行為

親事業者が下請事業者に対して行うことが禁止されている行為は以下の11項目です。

  1. 受領拒否
    • 注文した物品等の受領を拒むことです。具体例として、衣料品・雑貨販売していた親事業者が顧客から受注した商品について納品指示後、下請事業者の一部商品の受領を拒否したため問題となりました。
  2. 下請代金の支払遅延
    • 下請代金を受領後60日以内に支払わないこと。具体例として、女性向け既製服販売会社が消化仕入取引で支払期日が定められていない一部商品の代金支払いを遅延させたとされました。
  3. 下請代金の減額
    • あらかじめ定めた下請代金を減額すること。具体例として、化学品製造販売会社が「販売奨励金」と称して下請代金から一定額を減額しました。
  4. 返品
    • 受け取った物を返品すること。紳士靴・婦人靴製造会社が品質検査なしで商品に瑕疵があるとして納入業者に返品した件が問題とされました。
  5. 買いたたき
    • 類似品等の価格又は市価に比べて著しく低い下請代金を不当に定めること。具体例として、防災設備メンテナンス会社が「出精値引」と称して下請代金から一定額を差し引いたことが買いたたきに当たるとされました。
  1. 購入・利用強制
    • 親事業者の指定する物・役務を強制的に購入・利用させること。具体例:として、冠婚葬祭式施行会社が下請取引とは無関係なおせち料理等の購入を強制したと認定されました。
  2. 報復措置
    • 下請事業者が親事業者の不公正な行為を公取委又は中小企業庁に知らせたことを理由として、不利益な取扱いをすること。
  1. 有償支給原材料等の対価の早期決済
    • 有償で支給した原材料等の対価を、当該原材料等を用いた給付にかかる下請代金の支払期日より早い時期に相殺したり支払わせたりすること。具体例としては、有償支給した包装材料等について早期決済させたとされた例があります。
  2. 割引困難な手形の交付
    • 一般の金融機関で割引を受けることが困難であると認められる手形を交付すること。
  3. 不当な経済上の利益の提供要請
    • 下請事業者から金銭・労務の提供等をさせること。有名なキャラクター商品製造会社が納品商品と同一の商品サンプル提供など不当な利益提供要請したとされた事件があります。
  4. 不当な給付内容の変更及び不当なやり直し
    • 費用を負担せずに注文内容を変更し、又は受領後にやり直しをさせること。

親事業者の義務

親事業者には以下の義務が課されています:

  1. 支払期日を定める義務
    • 下請代金の支払期日を、給付受領後60日以内に定めること。
  2. 書面の交付義務
    • 発注の際に、直ちに所定の事項を記載した書面を下請事業者へ交付すること。
  3. 遅延利息支払義務
    • 下請代金の支払が遅延した場合、未払額に年率6%を乗じた額の遅延利息を支払うこと。
  4. 書類作成・保存義務
    • 下請取引を行った際、所定の取引に関する事項を記載した書面を作成し、2年間保存すること。

下請法違反に対する措置

公取委は、下請法違反行為を行った親事業者に対し、当該行為の差止め及び原状回復措置を勧告することができます。違反事件の処理手続は、公取委及び中小企業庁によって行われ、必要に応じて調査や改善指導が行われます。

下請法違反措置

公取委は違反行為差止め及び原状回復措置勧告できます。違反事件処理手続は公取委及び中小企業庁によって行われます。